DATE : 2007/01/21 (Sun)
NHK スペシャル「情報テクノロジーは命を救えるか ~阪神・淡路大震災の教訓は、いま~」を見ました。
(;^ω^)一応、情報テクノロジーを扱う端くれなので……
番組の中ではまず、阪神・淡路大震災では、被害状況が警察や災害対策本部にうまく伝わらなかったために効率的な救助ができなかった事例が取り上げられました。例えば、
- (当時は携帯電話が普及していなかったため)電話回線が輻輳して被害状況を伝えられなかった。
- 警察に被害を伝えに来た人もいたが、警察署付近の住人に限られていた。
- 上空からヘリコプターで状況を確認しようとしても、どこもかしこも瓦礫の山で同じような風景だったため、正確な位置が特定しにくかった。
などです。また、新潟県中越地震の例も挙げられ、特に山古志村は孤立してしまったために全く被害状況が外部に伝わらなかったことが印象に残りました。
そうした事例から、災害時に必要な情報は「鳥の目」と「虫の目」が重要と解説していました。
- 鳥の目
- 被害状況全体を俯瞰するような情報
- 虫の目
- 被害の現場で実際に起きている状況
その中で、「鳥の目」に対応する情報テクノロジーとして、GPS 搭載ヘリコプターや、震源地などを入力すると被害状況を予測するシステムが取り上げられていました。
また「虫の目」には、住民が携帯電話を使って被害状況を投稿するシステムが取り上げられていました。
しかし、住民が被害状況を投稿するシステムの弱点として、正確な情報が伝わらない場合があることや、情報量の多さに対策本部が混乱する恐れがあげられていました。その対応策として、防災訓練で正確な情報を伝えられるような教育を住人に施すことや、各避難場所で情報を一旦まとめるといったものが挙げられていました。
(他にもいろいろな解説がありましたが、省略します)
住民が携帯電話で被害状況を投稿するというのは、なかなか興味深いと思いました。そのシステムは、被害状況の分類を選択した後、詳しい状況を文章で記述するというものでした(写真を添付することもできるようでした)。しかし見ていて思ったのは、緊急時に果たして慌てずに正しい情報を送ることができるかということでした。
(;^ω^)番組内でもキャスターがその問題を取り上げましたが、それに答えた教授の答えは「地域の住民同士が声を掛け合って――」と、今ひとつかみ合っていませんでした。
個人的には、ボタン一発で被害状況をカメラで撮影、位置情報と方位情報をつけて地図上にマッピングできればかなり扱いやすいものになるのではないかと思いました。
(;´Д`)ただ、番組の結論でもそうでしたが、結局、情報テクノロジーを使うのは人なんですよね。すると、例え住人間でうまく情報が集まっても、対策本部や自治体、国とうまく連携がとれなければせっかくの情報もゴミになってしまうような気がします。
(;^ω^)そう考えると、情報テクノロジーで命をうんぬん……というのは、案外小手先の改善に過ぎないのかもしれませんね……。