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DATE : 2007/04/07 (Sat)

オブジェクト指向プログラミング入門第2版(新装版)」(Timothy A.Budd 著、羽部正義訳、ピアソンエデュケーション発行、2002年)を読みました。

(;^ω^)原著は1997年発行と、情報関係としては古い部類に入る本です。

オブジェクト指向の大まかなイメージから始まり、各言語でのオブジェクト指向の実現方法、クラス間の依存性、フレームワーク、デザインパターン、実装方法へと話がつながっていきます。

ただ、古いせいかオブジェクトコンポジションにはあまり触れられていませんでした。もっとも、継承の解説でサブクラスとサブタイプ(置換原則の成り立つサブクラス)が区別されていたり、委任(委譲)のみで継承を再現できることが挙げられているため、サブクラスについては継承よりもオブジェクトコンポジションを使うべきということが導けるようにはなっています。

ちなみに、STL の例から、オブジェクト指向は必ずしも万能ではないと述べられている点は非常に興味深い点です。結局のところ、使いどころが肝心ということなのでしょう。ソフトウェアの複雑さは、各々の処理があちこちに依存することから生まれてきます。その複雑さをうまくオブジェクトに封じ込めることで依存関係を少なくしようというのがオブジェクト指向の一目的です。すると、オブジェクトに封じ込める必要のない部分(オブジェクトになんらかの処理を加えるだけの処理など)までオブジェクトに封じ込めてしまうと、逆にコードが複雑になってしまいます(例えば、再利用という観点から見ると、要素のソートを行うアルゴリズムは、オブジェクトの中に封じ込めるよりも独立した関数とした方が再利用できます。ソートを行う操作をオブジェクトに用意することはあっても、アルゴリズムは独立させたほうが便利というわけです)

オブジェクト指向そのものについて語られているため、オブジェクト指向に関する幅広い知識が得られたように思います。古いとはいえ、フレームワークやデザインパターンは今や当たり前の技術になりました。むしろ、こういった当たり前の部分をしっかり解説してくれる本は貴重とも言えます。

(;^ω^)ところで、奥付にもあるのですが、原著は2002年の時点で第3版が出ているんですよね。もうそろそろ邦訳版が出てもおかしくはないと思うのですが……。

(;^ω^)邦訳3版がでたら原著は4版が出た……ということにはならないように祈りたいと思います。

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